加工のお話
こんにちは。
日に日に蒸し暑くなりますね。
皆様はどんな暑さ対策していますか?
毎日暑いので涼しげなラブラドライトの加工をご紹介します。
ラブラドライト
「手持ちのラブラドライト原石をリングにしたい」というご依頼です。
50㎜X40㎜X厚み10㎜程度の原石をお預かりしました。
ラブラドライトはクラックや黒い内包物が多い石です。
どちらかと言えば、黒や灰色の地に青色が所々見えているというような石なのですが、今回の石は青色が非常にはっきり綺麗に出ていました。
20㎜X35㎜程度のオーバルカボションカットをご希望でしたので、石取りの場所や、サイズ目安をご案内しました。
色が20x30、色が20x35㎜の仕上がりサイズです。
枠とのバランスを考慮され20x30㎜となりました。
では、加工に入ります。
①石の切断です。小割りと言います。
油性ペンで切断ラインを書き、それに沿って切っていきます。
世界に一個しかない大切な石です。出来るだけ無駄の無いように、石が多く残るようにと心がけています。
(小さい切れ端は使いようが無いとは思いますが、、、)
一度切ったり、削ったりすると元には戻らないし、替わりもないので、加工の最初の瞬間が一番緊張します。
お預かりしたお客様の石や、難しい加工の場合気分が乗るまでついつい数日放置してしまいます。石を加工し始めれば数時間で仕上がるのですが、やり始めは気合がいります。失敗できないので緊張するのですよね、、、
裏側加工
裏側に艶がなかったので磨きました。
切断した残りの石の裏側と、磨いた右側の石では、石が違うのではないかと言う位色の違いが出ました。
磨いてびっくり、裏側も綺麗なブルーだったのですね。
色を濃く見せたかったり、スターなどを見えやすくするため裏を磨かない場合も有ります。
荒磨り
粒子の粗い研磨剤でざっと形をとります。
山付け側も、山を少し作っておきます。(ガードル加工時に削り易くするため)
ガードル加工
ガードルとは外形です。この段階でサイズ、形を決めてしまします。
加工しやすいようにドップ(木や金属の棒)に貼り付け削ります。
裏側と外形作り終了です。
左側のドップに貼りついた写真でうっすら分かるのですが、外形の角を面取りしてカケないようにして有ります。
表側加工(山付け)
裏表をひっくり返しドップに貼りなおします。
目と手の感覚だけで山を付けていきます。
ラブラドライトは層状の組成の石なので、色も層に沿って出ます。なので、少し肩の張ったぼってりとした山付けをし、やや平べったい様な仕上がりにしました。(側面写真参考)
リング加工
デザインのご希望を伺った所、FAXで手書きのデザイン画を送って下さいました。
正面の絵だったので、側面の細部を決めるのに簡単な作図をしました。
リングと石枠を橋のようにつないだ①と一体型の②。
石メインで他はごくごくシンプルに、という事で①で決定。
完成
とても綺麗なブルーのラブラドライトが映える仕上がりになったと思います。
あまりほめるのも自画自賛のようなので、表現が難しいですね。
今回のお話いかがでしたか?
加工の説明解りましたか?
リクエストが有れば是非お願いします。